2014年7月5日土曜日

僕らは二度目の旅に出る 〜第4回ラブナイトに寄せて〜


この数ヶ月、今回のラブナイトのことを考えるたびに、瞳の奥をチラつく景色があるのです。それは、とあるダム湖にある無人駅と、そこに座る小さな野良猫。

チラつく理由はわからないですが、いつかどこかで聞いた、名もない歌をふっと思い出すときの、あれに似た感覚があります。

その無人駅にはかつて訪れたことがありました。手元にある写真はこんな感じ。


なにせ4年前のことなので、いろいろと記憶が曖昧なのです。(奥に見えるのが僕の足。)
ただ、なんとなく、気持ちいい風が吹いてたような気がする。
  
風といえば、僕にとって、今回のゲストの大島保克さんはまさに「風」の人でした。昨年のフェスティバル・トーキョーのリミニ・プロトコル。歌声と三線の響きが、池袋を渡り鳥のように響いていました。

そして彼が風だとしたら、もう一人のゲスト、坂本美雨さんは何だろうか。きっと彼女は「光」の人です。もう3年ぐらい経つかもしれませんが、□□□のスカイツリー合唱団。美雨ちゃんの歌声が浅草を優しい雨のように包んでいました。

いうまでもなく、二人は僕の音楽の大先輩。
そして、同時に、時間と距離を超えた歌を歌う、自分にとっての歌の"希望そのもののような存在です。
二人に出会ったときは話しかけるのに緊張したけど、それが繋がって、このたび素晴らしい夜を迎えることができるのだから、あのとき勇気を出して話してよかったな、と今思います。

そんなこともあって、今回、僕は歌を聴く幸せにただただ浸ってしまいそうですが、もちろん気合を入れて頑張りたいと思います。なぜなら挑戦しなければいけないことがあるからです。

今回のラブナイトでは、いつものトーク&ライブとともに、旅の報告をします。記憶の中にいる、あの無人駅の猫に会いに行こうと思うのです。

4年前、出会ったばかりの写真家・朝岡英輔くんと夜通し歩いた深夜の山。
その先にあるというダム湖を目指し、暗闇をひたすらに歩きました。
蒸し暑い山道。ウイスキーの瓶。ときおり吹き付ける風。二人で交わした下らない話の数々(※特に下ネタが盛り上がった)。
そして、ダムに辿り着いたあの時の素晴らしい疲労感。朝の光に包まれて、目の前に輝く水面が揺れていました。
その近くには無人の駅があって、電車を待っていたら、あの猫がやってきたのです。

風、光、あのすべてが、瞳の奥にチラつくのです。あの日の猫が僕を呼んでいるのです。とにかく、呼ばれている以上は行かねばなりません。

711日、皆さんに、生まれたての歌で、お伝えできればと思います。そして一緒に「二度目の旅」ができますように。心より、お待ちしています。


2014年7月11日(金) 18:30 OPEN 19:00 START 参加費2500円(1ドリンク付)
スペシャルゲスト 大島保克、坂本美雨
会場:西麻布Rainy Day Bookstore & Cafe (東京都港区西麻布2-21-28 スイッチ・パブリッシングB1F)
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